印刷入稿データの作り方④:印字
印字とは?
印字とは、文字や数字、記号、コードなどをプリンターなどの機器を使用して表示することを言い、またその表示された文字やコードのことも指します。
分かりやすいものは、賞味期限や製造ロットなどの印字です。パッケージデザインなどの変わらない情報には印刷を行い、製造状況に応じて変化のある情報を印字しています。
近年は様々な業界において、DX化が求められており、ナンバリング、可変のバーコードや二次元コードなどによる個体管理の需要=印字するラベルが増えてきております。そこで今回は、改めて印字データの入稿について解説させていただきます。ぜひ、入稿データ作成の際にお役立てください。
※印刷入稿データの作り方、基本編、フォント編、色編は各リンク先からご確認ください。
印字デザイン上の注意点
余白
印字範囲は天地左右それぞれ1.5㎜の余白を設けてデザインをしてください。
用紙の状況、給紙時の状況等の諸条件により、多少の印字ずれが発生する場合があります。

印字に対して天地左右方向へ1.5㎜ずつ余白が必要です。
背面デザイン
絵柄の上に印字する場合は、印字用のインキやトナー、リボンとの密着が低下するため組み合わせによっては対応できない場合があります。
絵柄の上に印字する必要がある場合は事前に当社へご相談ください。

印字用のインキ等がうまく定着しない可能性があります。
印字内容の注意点
フォントについて
当社推奨のWindowsフォントをご利用いただいております。
それ以外のフォントを希望される場合は、別途当社へご相談ください。
一般的にWindowsで使用されているプロポーショナルフォント(メイリオ、游ゴシック等)は使用する文字によって文字間隔が変化してしまい、ラベル内の限られたスペースに配置することが困難な場合があります。
そのため、印字に使用するフォントは等幅フォント(MSゴシック、OCR-B等)を推奨しています。
明朝体(セリフ体)は文字の太さが一定ではないため、カスレて見えてしまう場合がありますので、ゴシック体(サンセリフ体)を推奨しております。

文字サイズについて
可読文字を印字する際にポイント数が小さかったり、文字間隔が狭いと検査対応ができない場合があります。
文字サイズ:7pt(2mm)以上
文字間隔 :0.5㎜以上

印字の色について
インクジェット方式、電子写真方式、熱転写方式で印字する場合はモノクロのみとなります。
デジタル印刷機の場合はプロセスカラーでの出力が可能です。
バーコード、QRコードについて
バーコードやQRコードのサイズはデータ量とプリンターの解像度によりサイズが変動します。
想定した印字エリアに収まらない可能性があるため、デザイン設計段階でご相談ください。
バーコード・QRコードは原則モノクロでの印字となります。
カラーでの印字を行いたい場合、事前に当社にご相談ください。
デザイン、余白について
バーコードやQRコードの周囲や背景が白地ではない(文字やデザインを配置されている)と、余白が不足したりコントラストが不鮮明になるため読み取りができない場合があります。
<推奨サイズ>
バーコード(JAN想定)最小バー巾:0.338㎜以上
QRコード最小セルサイズ:0.338㎜以上

コードの周囲に文字があり、
余白が十分確保できていない

コードに絵柄が重複しており、
コントラストが不鮮明な状態

絵柄の重複がなく、
余白も十分に確保できている
印字データの取扱に関して
画像の使用について
デジタル印刷機の場合は画像の差込み印刷の対応が可能です。
差込み印刷の場合はファイルの命名方法に指定がございますので事前に当社へご相談下さい。
※画像データはPDF(PDF/X-4)形式を推奨しております。
支給データについて
・データはCSV等のテキストファイルで支給いただきますようお願いします。
・CSVデータはExcelに関連付けされている場合がありますので、ファイルをダブルクリックするとEXCELで開けてしまいます。
この状態で上書き保存をしてしまうと書式設定によりデータが変換されてしまう場合がありますのでご注意下さい。
・バーコード、QRコードの印字が必要な場合、画像データではなく元となるCSV等のデータで入稿をお願いします。
・1セル内に改行を含まないデータの作成をお願いいたします。※1
・ラベル1枚に必要なデータは同じ行に配置していただくようお願いいたします。※2

改行のないデータでの入稿をお願いいたします。

ラベル1枚に印字したい内容は同一行に配置して下さい。
印字データの支給形式について
・データはセキュリティが保証されているファイル転送サービスか記録メディア(CD-R、DVD-R)でのご支給をお願いします。
・記録メディアでご支給いただく場合、フォルダ内ではなくメディアの一番上の階層に直接データを保存してください。
・複数案件のデータをメディアで支給いただく場合、データの取り間違いを防ぐために案件ごとにメディアを分けてご支給をお願いします。
・ご支給頂くデータは授受確認のためにファイル名、ファイル数、データ件数の情報も合わせて提供をお願いします。
印字方向について
・熱転写方式や電子写真方式で印字を行う場合、用紙の伸縮や用紙搬送精度の影響により品質が低下資する場合があるため、用紙の進行方向に対し平行に印字を行うことを推奨しています。※3
・インクジェットプリンターの場合、ノズルヘッドの詰まりによるバー(ドット)の欠落を防ぐため、用紙の進行方向に対して垂直に印字を行うことを推奨します。※4
推奨方向


▼「印刷入稿データの作り方」が詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください!▼
・印刷入稿データの作り方①:基本
・印刷入稿データの作り方②:フォント
・印刷入稿データの作り方③:色