印刷の版式とは?印刷の種類や方式とメリット・デメリット
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印刷とは
文字や写真、または図形等をインキを用いて、多数複製する技術です。印刷の歴史は書籍を製造することからはじまり、15世紀の中頃、グーテンベルクにより活版印刷法が発明され、第一歩が踏み出されました。その後、印刷の用途が拡大され、紙だけでなく段ボール、布、セロファン、金属、ガラス、プラスチック、その他多くのものに展開されています。
 
        
      印刷の版式
 印刷の版はその形状から凸版、平版、凹版の3版式、もしくは孔版を加えて4版式に大別されます。
技法やメリットデメリットをまとめて解説いたします。
| 種類 | 凸版印刷 | 平版印刷 | 凹版印刷 | 孔版印刷 | デジタル印刷 | 
|---|---|---|---|---|---|
| 方式 | 有版式 | 有版式 | 有版式 | 有版式 | 無版式 | 
| 版式 | ・活版印刷 ・フレキソ印刷 | オフセット印刷 | グラビア印刷 | スクリーン印刷 | ・インクジェット ・電子写真 など | 
| 技法 | ・インキのつく部分(画線部)がインキのつかない部分(非画線部)より高くなっている版で、凸部分にインキをつけて紙などに転写する ・日常使用する印鑑と同じ原理 | 画線部は親油性でインキがつき、非画線部は親水性で水分を与えておくとインキがつかないため、インキと水を与えながら印刷する | 画線部が非画線部より低くなっていて、版の凹部(くぼんだ部分)にインキを与えて印刷する | 画線部がインキを通すようになっている版で小穴からインキを押し出して印刷する | 版を作らず直接紙に印刷する | 
| メリット | ・コストが安い ・画線部のエッジがシャープに出るため文字印刷に適している | 細かい濁点まで刷れるため、鮮明で再現性が高い | ・大ロット向き ・階調豊富で力強い印刷が可能 | ・インキの塗布量が多い ・小ロット向き | ・版が不要で、一枚一枚違う情報を入れられる ・スピーディな対応が可能 | 
| デメリット | 細かい絵柄の再現やグラデーションには向かない | 印刷濃度が不十分 | 製版が複雑でコストが高い | 印刷スピードが遅い | ・大量印刷には向かない ・オフセットに比べ再現性が落ちる場合がある ・特色不可の場合が多い | 
| 主たる用途 | 新聞、名刺、帳票、段ボール | 新聞、ポスター、カレンダー、折り込み広告、書籍、金属 | フィルム、軟包装材料、建材、写真集、紙幣、証券類 | ステッカー類、布、ガラス、金属、陶磁器、プリント配線 | バリアブルデザイン、可変データを含むもの | 
	※同じ版式、方法であっても、機械によって特性が異なります。
	機械としては平圧機、半輪転機、輪転機、間欠輪転機などがありますが、最適な印刷機は製造する数量や印刷後の加工工程、仕上げ方法などによって変わってきます。
図解でわかる「有版方式の構造」
【 凸版印刷 】
 
      
  
  印刷したい部分が版の凸部になっており、インキをつけて紙などに転写します。
【 平版印刷 】
 
      
  
  特殊な版(PS版)を使用し、油と水の関係性を利用して印刷を行います。
【 凹版印刷 】
 
      
  
  印刷したい部分が版の凹部分となっており、インキを与えて転写します。
【 孔版印刷 】
 
      
  
  印刷したい部分がインキを通す版になっているため、スキージなどでインキを押し出して印刷します。
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